米国の金利上昇に伴う国内の長期金利の上昇を反映し、メガバンクは2月に
適用する住宅ローンの固定型10年の基準金利をそろって引き上げた。
ただ、関西の地方銀行は据え置いたケースが多い。
海外事業や大手企業に注力するメガバンクと異なり、個人の地元客も主要な
ターゲットとする地銀は、金利の引き上げに慎重にならざるをえない面があ
りそうだ。 関西の主要地銀では関西みらい銀行、京都銀行、滋賀銀行のほか
それぞれ奈良県と和歌山県を地盤とする南都銀行、紀陽銀行が固定型10年
で1月の金利を据え置いた。
メガバンクや三井住友信託銀行の大手行が長期金利をもとに、0・05~0・
1ポイント引き上げたのとは対照的だ。関西地銀でも池田泉州銀行や、兵庫
県地盤のみなと銀行は0・05~0・1ポイント引き上げた。
金利を引き上げなかった地銀は理由について、「長期金利動向などを踏まえ
て、総合的に判断した」と説明する。
「背景に営業戦略の違いがある」と指摘するのは、ある地銀の関係者だ。
地銀は地域の個人客を重視しており、住宅ローンの顧客獲得に力を入れてい
る。
「(住宅ローンで囲い込めば)口座開設や積立貯金、投資信託の購入などに
つながるチャンス」と話す地銀関係者も少なくなく、金利引き上げは慎重に
なる。 もっとも、住宅ローンのうち、9割近くは金利固定型ではなく、より
低水準の変動型を選んでいるとされる。
メガ、関西地銀はいずれも2月の時点では変動型を見直していない。
「産経新聞」