国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は26日、先進国の行動
により市場のストレスは緩和したものの、金融安定性に対するリスクが高
まっているとし、引き続き警戒するよう呼びかけた。
チャイナ・デベロップメント・フォーラムで講演した。 新型コロナウイル
スのパンデミック(世界的大流行)やウクライナ戦争、金融引き締めによる
影響で世界経済が減速する中、2023年も厳しい年になるとの見解を改め
て示した。
IMFは23年の世界経済成長率予想を2.9%としているが、来月に最新
の見通しを公表する。 専務理事は24年の見通し改善を踏まえても、世界の
成長率は歴史的な平均値である3.8%を大きく下回り、全体的な見通しは
依然として弱いと指摘した。
最近の銀行破綻に関しては、先進国の政策当局者が金融安定性を巡るリスク
に断固として対応したと評価。その上で、警戒がなお必要だと強調した。
「われわれは引き続き状況を注意深く監視し、世界経済の見通しと世界的な
金融の安定性に対する潜在的な影響を評価している」とし、IMFは最も脆
弱な国、特に債務残高が多い低所得国に細心の注意を払っていると述べた。
「ロイター通信」