今後、住宅ローンの金利は上昇していくのか。大手銀行3行が10月31日
11月の住宅ローン金利を引き上げると発表した。固定期間10年の基準金利
を引き上げた。
10月と比べた上げ幅は、りそな銀0.03%、三井住友銀0.10%、みずほ銀
0.15%。 固定10年の最優遇金利は、それぞれ、りそな銀1.08%、三井住
友銀0.93%、みずほ銀1.20%となる。
現在、住宅ローンの金利が低いため、都心では若いパワーカップルが億シ
ョンを買うような“不動産バブル”が起きているが、住宅ローンの金利が上昇
しはじめたら、不動産バブルは破裂しておかしくない。さらに、約7割の人
が変動金利で住宅ローンを組んでいるだけに、返済負担が重くなる恐れがあ
る。
大手銀3行は来春以降を先取り
アメリカでは中央銀行のFRBが利上げを続けているため、住宅ローン金利
は21年ぶりに7%を突破している。日本も住宅ローンの低金利時代は終わる
のか。 「来春、日銀の黒田総裁が退任したら住宅ローンは上がると思います」
と、経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「すでに日銀内部では、長期金利を低く抑え続けるのは無理があるという声
が強まっています。
現在、10年物国債の金利が0.25%と低く抑えられているのは、日銀が指し値
オペを実施して無理やり金利を抑え込んでいるからです。指し値オペをやめた
ら0.5%、0.7%……と上がっていくはずです。実際、日銀が人為的に金利を抑
え込んでいない20年金利や30年金利は高くなっています。
“ポスト黒田”は無理な指し値オペはしないはず。長期金利が上がれば当然、住
宅ローンの変動金利も上がり、新規の固定ローンも上がります。大手銀3行も
来春以降を先取りして金利を上げたのでしょう」
これからマイホームを購入する予定のある人、変動金利でローンを組んでい
る人は、要注意だ。
「日刊ゲンダイ」