住宅ローンで買ったタワーマンションなどの自宅を無断で貸し、金融機関から
契約違反と指摘される事例が相次いでいることがわかった。
放置すると金利が数倍に跳ね上がったり、信用情報に傷がついてクレジットカード
が作れなくなったりする恐れがある。
住宅ローンは、自宅として住むことを前提に、不動産投資用ローンなどよりも低金
利でお金を借りる仕組み。朝日新聞は、メガバンクや地方銀行、ネット銀行などの
金融機関に、契約後に第三者に無断で貸し出された事例数や、対応などについて取
材した。
ある大手金融機関は、無断貸しの発覚は年間数百件あると答えた。複数の金融機
関によると、借り主の自宅に残高証明書を送っても届かないことや、借り主との他
の取引状況、現地調査などをきっかけに判明するという。
大手金融機関の担当者によると、無断貸しが分かると、0・5%以下の変動金利の
「優遇金利」を適用外にして2%以上にしたり、投資用ローンへの借り換えを求めた
り、一括返済を求めたりする。応じないと、個人の信用情報が傷つき、クレカを作
れなくなることもあるという。
ただ、多くの金融機関は、事前に相談し、会社員の転勤など一定期間後に戻る見
通しがあれば貸し出すことを認めている。別の大手金融機関の担当者は「海外転勤
親の介護、離婚など、住宅ローンを借りても住まなくなる事情は様々」とし、個別
に対応すると話した。
「朝日新聞DEGITAL」