2024年8月2日金曜日

日銀の年内追加利上げを7割弱が予想、最多は12月の44%

  日本銀行が7月31日の金融政策決定会合で3月以来の利上げを決め
植田和男総裁が記者会見で今後も利上げを続ける姿勢を明確にした中で
7割弱のエコノミストは年内の追加利上げを予想している。

 ブルームバーグが1日に実施した特別調査によると、回答した41人の
エコノミストのうち68%が、政策金利の無担保コール翌日物金利を年内
に0.25%程度からさらに引き上げると見込んでいる。最多は12月の44%
で、次いで10月が24%。9月との回答はなかった。20%は来年1月の利
上げを予想している。

 植田総裁は7月会合後の会見で、目標の2%を上回るインフレ率が続く
中、「実質金利は非常に深いマイナスにある」とした上で、経済・物価情
勢が見通しに沿って推移すれば「引き続き金利を上げていく考えだ」と語
った。円安が物価を想定以上に押し上げる可能性を「重要なリスクと認識
して政策判断の一つの理由とした」とも述べた。植田総裁のタカ派的な姿
勢への転換が市場の見通しに大きく影響した形だ。

 東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「米国で利下げが始まっ
てもソフトランディング傾向が続きそうなら、早ければ次の10月展望リポ
ート時に日銀は0.5%への利上げを決める可能性がある」と指摘。その上で
現在の実質翌日物金利は半世紀弱見られなかった深いマイナス圏にあると
し、「来年にかけて1%程度への利上げはあり得る」とみている。

 7月会合での利上げの決定については、エコノミストの63%が「適切」
と評価。従来の月間6兆円程度を2025年度末に3兆円程度まで圧縮する
国債買い入れの減額計画に関しては、85%が「適切」とした。                          

                         「Bloomberg」